社会保険・労働保険の委託についてメリット・デメリットや社労士の選び方などについて解説

更新日:2024/3/30

会社で人を雇用している場合、社会保険・労働保険の手続きを行わなければなりません。 小規模な会社だと他の業務と兼ねて人事がおこなっていることもあり、非常に面倒です。 このような場合に検討したいのが、社会保険・労働保険の事務を外部に委託することです。 本記事では、社会保険・労働保険手続きを外部に委託する場合のポイントなどについてお伝えします。

社会保険・労働保険とは

そもそも社会保険・労働保険とはどのようなものでしょうか。

社会保険・労働保険とは

社会保険とは、広い意味では、病気や怪我、出産、失業、障害、老齢、死亡などに対して保険給付を行う公的な保険のことをいいます。
広い意味での社会保険には、勤務している人が加入する被用者保険と、自営業者その他の方が加入する一般国民保険に分けられます。
人事が行う手続きで問題になるのはこの被用者保険で、被用者保険にはさらに狭い意味での社会保険と労働保険に分けられます。
狭い意味での社会保険は、健康保険・介護保険・厚生年金保険の3つを差します。
労働保険とは、雇用保険と労災保険の2つを合わせたものです。

どのような手続きがあるのか

 社会保険・労働保険には次のような手続きがあります。 
 
 従業員を採用した場合 
     
  • ・健康保険・厚生年金保険:資格取得届
  •  
  • ・雇用保険:資格取得届
  •  
 
 
 従業員が退職した場合 
     
  • ・健康保険・厚生年金保険:資格喪失届
  •  
  • ・雇用保険:資格喪失届
  •  
 
 
 従業員が転居した場合 
     
  • ・健康保険・厚生年金保険:住所変更届
  •  
  • ・雇用保険:転居届
  •  
 
 
 従業員が結婚した場合 
     
  • ・健康保険・厚生年金保険:氏名変更届・被扶養者異動届・住所変更届
  •  
  • ・雇用保険:氏名変更届
  •  
 
 
 従業員が死亡した場合 
     
  • ・健康保険・厚生年金保険:資格喪失届・健康保険埋葬料(費)支給申請書の提
  •  
  • ・雇用保険:資格喪失届
  •  
 
 
 従業員が出産・育児休業・介護休業した場合 
     
  • ・健康保険・厚生年金保険:出産手当金支給申請書の提出・出産育児一時支援金支給申請書の提出・産前産後休業取得者申出書
  •  
  • ・雇用保険:育児休業給付金申請書の提出・介護休業給付申請書の提出
  •  
 
 
 従業員が病気や怪我で休んだ場合 
     
  • ・健康保険・厚生年金保険:傷病手当金支給申請書
  •  
 
 
 従業員が業務上の病気や怪我で休んだ場合 
     
  • ・労災保険:療養補償給付たる療養の給付請求書の提出・療養補償給付たる療養の費用請求書・休業補償給付支給請求書の提出
  •  
 
 
 毎年行う手続き 
     
  • ・健康保険・厚生年金保険:算定基礎届・月額変更届・賞与支払届
  •  
  • ・雇用保険・労災保険:労働保険 概要・確定保険料申告
  •  
 
 
 会社に何かあったときに行う手続き 
     
  • ・健康保険・厚生年金保険:適用事業所名称/所在地変更届・適用事業所全喪届
  •  
  • ・雇用保険:事業所各種変更・事業所廃止届
  •  
 

従業員の入退社によってたくさんの手続きをしなければならないとともに、毎年行わなければならないものもあるので、人事担当をしている人にとっては非常に負担となります。

社会保険・労働保険を委託する相手は社会保険労務士

社会保険・労働保険に関する手続きの委託については、社会保険労務士に委託することになります。
労働者負担雇用主負担雇用保険料率
一般の事業5/10008.5/100013.5/1000
農林水産・清酒製造の事業6/10009.5/100015.5/1000
建設の事業6/100010.5/100016.5/1000

労働時間の把握義務の法改正の経緯

労働時間の把握義務については近時の働き方改革関連法として、制定・改正されたものの一つです。
長時間労働が社会問題化しており、残業時間に上限が定められていても、会社がその労働時間を把握せず、違法な長時間残業をさせているようなケースもあり、規定が絵に描いた餅であることも珍しくありませんでした。
そのために導入されたのが、この労働時間の把握義務です。

36協定を届け出ないとどうなるか

36協定を結んだ旨を届け出ないとどうなるのでしょうか。
労働基準法32条の法定労働時間の定めの例外として、法定労働時間外に働かせるためには、36協定を締結するだけではなく、これを労働基準監督署に届け出る必要があります。
届け出をしなかった場合には、労働基準法32条の例外として時間外労働をさせることはできず、その状態で法定労働時間害に働かせた場合には、労働基準法32条違反となります。
労働基準監督署の指導の対象になるほか、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が法定されています(労働基準法119条1号)。
また労働基準法35条に違反した場合も、労働基準法119条1号で6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が法定されています。
この刑事罰については、会社だけではなく、責任者個人にも科せられることになるので注意しましょう。

労災保険

業務や通勤が原因の怪我・病気に対して給付を行う制度が労災保険です。
怪我や病気の治療に必要な費用を支給する療養給付、仕事を休んだことに対して給付を行う休業給付、怪我や病気で後遺障害が残った場合の障害給付、遺族に対する遺族給付などを受けることができます。

社会保険は狭義の社会保険と労働保険に分類される

社会保険は、健康保険・厚生年金・介護保険の3つを合わせて狭義の社会保険と、雇用保険と労災保険のことを労働保険と呼んで分類することがあります。

記載事項についての解説

就業規則に記載する事項について、特に注意すべき点は次の通りです。

必要的記載事項は全項目記載する


就業規則において必ず記載しなければならない事項のことを必要的記載事項と呼んでいます。

始業時刻・終業時刻
休憩時間・休日・休暇
労働者を2組以上に分けて交代に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
賃金の決定・計算・支払方法
賃金の締め切り及び支払いの時期
昇給に関する事項
退職に関する事項
退職手当を定める場合に、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算、支払い方法、支払い時期に関する事項

これらの事項が記載されていない就業規則を作成しても、労働基準法89条に規定されている就業規則を作成したといえないことになるので、必ず記載します。
モデル就業規則にはこれらを踏まえて多数記載がされています。
例えば、20条は次のような項目が記載されています。
(休日)
第20条 休日は、次のとおりとする。
①土曜日及び日曜日

②国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)

③年末年始(12月  日~1月  日)

④夏季休日(  月  日~  月  日)

⑤その他会社が指定する日

2.業務の都合により会社が必要と認める場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。


土日祝日を休みとする会社の記載例です。
年末年始・夏季休日については、会社の実情に応じて記載します。
普段は土日祝日ですが、土日祝日に勤務が必要になることに備えて、2項のように休日の振り替えについての記載を置くようにします。

会社の事情に応じて相対的記載事項を記載する


絶対的記載事項のほかに、特定の取り決めをする際には記載しておかなければならない事項のことを相対的記載事項といいます。
主な相対的記載事項には次のものがあります。


臨時の賃金等及び最低賃金額の定めをする場合にはこれに関する事項
労働者に食費・作業用品その他の負担をさせる場合にはこれに関する事項
安全・衛生に関する定めをする場合にはこれに関する事項
職業訓練に関する定めをする場合にはこれに関する事項
災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合にはこれに関する事項
表彰及び制裁の定めをする場合にはその種類及び程度に関する事項
当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合にはこれに関する事項

会社でこれらの定めをする場合には、就業規則に記載するようにしましょう。
安全・衛生についての定め、災害補償や業務外の疾病扶助、従業員に懲戒処分をするための制裁の定めはほとんどの就業規則で記載されるので、モデル就業規則を参考に自社の事情に合わせていた記載を行いましょう。
例えば、モデル就業規則67条は次のように定めています。
(懲戒の種類)
第67条 会社は、労働者が次条のいずれかに該当する場合は、その情状に応じ、次の区分により懲戒を行う。
①けん責
始末書を提出させて将来を戒める。
②減給
始末書を提出させて減給する。ただし、減給は1回の額が平均賃金の1日分の5割を超えることはなく、また、総額が1賃金支払期における賃金総額の1割を超えることはない。
③出勤停止
始末書を提出させるほか、  日間を限度として出勤を停止し、その間の賃金は支給しない。
④懲戒解雇
予告期間を設けることなく即時に解雇する。
この場合において、所轄の労働基準監督署長の認定を受けたときは、解雇予告手当(平均賃金の30日分)を支給しない。

上記の制裁に関する定めを具体化したもので、就業規則で定めた懲戒処分によって、従業員の行為に対する制裁を行うことになります。

その他の任意的記載事項


任意的記載事項とは、絶対的記載事項および相対的記載事項以外の事項の記載のことをいいます。
就業規則は会社と従業員の関係の基本的な事項を記載するものになるので、就業規則の中で必要的記載事項・相対的記載事項以外でも、基本的なルールとして記載すべきといえるものについては、就業規則に記載します。
主な任意的記載事項としては、次のようなものがあります。

就業規則の基本精神
応募・採用に関する事項
副業・兼業・競業に関する事項

モデル就業規則でも記載があるので、自社の事情に応じて記載をしましょう。
例えば、モデル就業規則70条は次のような規定を置いています。

第70条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2.会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
①労務提供上の支障がある場合
②企業秘密が漏洩する場合
③会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④競業により、企業の利益を害する場合

この規定は、副業・兼業について会社への届出によって認めつつ、秘密漏洩や競業に関するものについては一定の場合には禁止・制限をするものです。

社会保険・労働保険を社会保険労務士に委託する

社会保険・労働保険に関する手続きを社会保険労務士に委託する場合、どのようなことを委託することができるのでしょうか。
またそのメリット・デメリットを確認しましょう。

社会保険労務士に委託できる内容

社会保険労務士に委託できる内容は、社会保険労務士法2条で次のように規定されています。

  • 労働保険・社会保険に関する書類の作成
  • 作成した書類について手続きを代理で行うこと
  • 申請や届出などについて主張若しくは陳述を代理すること
  • 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づくあっせん・調停の手続きの代理(特定社会保険労務士のみ)
  • 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類等の作成
  • コンサルティング労務管理やその他の労働に関する事項などについてのコンサルティング

労働保険・社会保険については、書類の作成・手続きの代理をしてもらうことができます。
なお、社会保険労務士以外の人がやることは、刑罰を伴うペナルティがあるので注意が必要です。

社会保険労務士に委託するメリット


社会保険労務士に社会保険・労働保険に関する業務を委託するメリットとしては次のようなものが挙げられます。

  • 社会保険・労働保険に関する手続きに人員が割かれずコア業務に専念できる
  • 手続きを正確に行うことができる
  • 業務の効率化をはかれる


社会保険・労働保険に関する手続きに人員が割かれずコア業務に専念できる


社会保険・労働保険に関する手続きに人員が割かれることがなくなり、コア業務に専念ができます。
会社が小さいうちは、代表者や特定の人が人事に関する事務を行っており、本来のコア業務に集中できない時間が発生します。
社会保険・労働保険に関する事務を社会保険労務士に代行してもらうことで、これらの人員がコア業務に専念することができます。

手続きを正確に行うことができる


手続きを正確に行うことができます。
社会保険・労働保険に関する業務は複雑である上に、正確に行わなければ行政指導などのペナルティもあるため、正確に行う必要があります。
社会保険・労働保険に関する手続きを社会保険労務士に依頼することで、手続きを正確に行うことができます。

業務の効率化をはかれる


業務の効率化をはかることができます。
近年、労務管理に関して、クラウドシステムを使ったソフトウェアの利用が進んでいます。
社会保険労務士はこれらのソフトウェアを利用しており、これによって業務の効率化をはかることができます。

社会保険労務士に委託するデメリット

一方で社会保険労務士に社会保険・労働保険に関する事務を委託するデメリットもあります。

費用がかる


当然ですが、社会保険労務士に委託するにあたって費用がかかります。

社会保険・労働保険に関するノウハウの蓄積ができない


委託する社会保険・労働保険に関するノウハウの蓄積ができないこともデメリットです。
社会からの問い合わせにすぐに応答したり、業務効率化をしたりすることが難しいといえます。

社会保険労務士に委託する場合の費用の相場

社会保険労務士に社会保険・労働保険に関する事務を委託する場合にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
社会保険・労働保険に関する事務を委託するにあたり、セットになることが多い給与計算に関する事務を合わせると、社員数に応じて次のような費用が相場となります。
                       
 社員数  社会保険労務士の報酬(月額) 
 4人以下  15,000円~ 
 5人~9人  20,000円~ 
 10人~29人  30,000円~ 
 30人~49人  40,000円~ 

社会保険労務士によってサービスの範囲が広い場合には報酬も高くなることがあるので、どのようなサービスを受けられてその費用なのかを確認するようにしましょう。

36協定届の提出方法2郵送する

36協定届の提出方法として郵送で送る方法が挙げられます。
この場合も2部作成して、返信用封筒を同封すると、控えを返送してもらうことができます。
郵送で提出する場合には、労働基準監督署への郵送にかかる時間、事務処理にかかる時間を見込んでおく必要があり、タイムラグがあって受理されるまでに時間外労働・休日労働をさせた場合には、労働基準法36条の例外要件を満たしているとはいえず、労働基準法32条・35条違反となるので注意が必要です。

賃金の該当種類に注意


労働保険の年度更新における注意点の一つは賃金の該当種類についてです。
給与・賃金として支給されるものには、各種の手当などと合わせて様々な種類のものがあります。
そして、給与として支払われる金銭の中には、労働保険において支給された給与・賃金には含まないものがあるので注意が必要です。
給与・賞与・通勤手当のようなものについては、賃金として計算に含まれます。

しかし、役員報酬・傷病手当金・災害見舞金・解雇予告手当などは、賃金として計算に含みません。
また、労働者が立て替えていた交通費・出張旅費・宿泊費の支給も、賃金には含まれません。
支給した額をそのまま申告してしまい、これらを給与に含めてしまうと、保険料を多く支払ってしまうことになるので、注意が必要です。

65歳以上の人を雇用している場合


65歳以上の人を雇用している場合も注意が必要です。
2017年までは65歳以上の人は雇用保険の適用対象ではありませんでした。
そして、2017年からは65歳以上も雇用保険の適用対象となっていましたが、2020年3月31日までは雇用保険料は免除されていました。
2020年4月1日からは、65歳以上の高齢者も雇用保険に加入し、雇用保険料の支払いが必要となります。
最新の情報を確認して手続きを行うようにしてください。

36協定届の提出方法3電子申請する

36協定について電子申請することができます。
電子申請であれば、24時間365日可能で、労働基準監督署に赴く手間や、郵送での返信用封筒の用意や切手代の負担などがありません。
36協定は有効期限があり更新が必要となるので、電子申請が非常に便利です。具体的な方法を後述します。

36協定違反にもペナルティがある

36協定に関する違反をした場合にもペナルティがあります。
上述の行政指導はもちろん、労働基準法119条1号で労働基準法36条6項に違反した場合の刑事罰も同様に定められています。
労働時間に関する会社名で報道されているものの多くが、36協定に違反しての長時間残業なので、やはり違反をしないように細心の注意が必要であるといえます。

社会保険・労働保険を社会保険労務士に委託する場合のポイント

社会保険・労働保険を社会保険労務士に委託する場合のポイントを確認しましょう。

社会保険労務士の選び方

社会保険・労働保険を委託する社会保険労務士はどのように選べば良いでしょうか。
費用以外の部分では次のようなことが挙げられます。

レスポンスの速さ


レスポンス(返事)の速さは社会保険労務士選びの鍵の一つとなるでしょう。
たとえ報酬が少なめで依頼しやすい場合でも、レスポンスが遅い社会保険労務士もいます。
現在の進捗状況がどうなっているか、何か質問があったときにすぐに回答してくれる社会保険労務士は信頼できるでしょう。

業務範囲と報酬が明確か


次の社会保険労務士を選ぶ重要なポイントは、報酬が明確かどうかです。
社会保険労務士とのトラブルの多くは、報酬が明確ではないことが原因です。
これは、報酬自体が明確ではない場合や、依頼するつもりのなかった業務も依頼の範囲となっていることが原因です。
依頼についての業務範囲と報酬が明確かは、社会保険労務士を選ぶポイントです。

委託する規模と業務システムが合っているか


最後に委託する規模と業務システムが合っているかも確認しましょう。
社員の数が多いような場合には、社会保険労務士の事務所も大規模なほうが、マンパワーが安定しており安心であるといえます。
人事に関する業務システムをすでに利用している場合には、委託を検討している社会保険労務士の事務所がその業務システムに合っているかも重要なポイントとなります。

社会保険労務士に委託をするタイミング

社会保険労務士に社会保険・労働保険の業務を委託することを検討すべきタイミングにはどのようなものがあるのでしょうか。

人員を大量に増やそうと考えている


事業が拡大傾向にあり、人員を大量に増やそうと考えている場合は、社会保険労務士への委託を検討するタイミングとして適しています。
人員を大量に増やすということは、それだけ人事担当者の負担が増えます。
人事担当者を専属で採用するのか、社会保険労務士に委託をするのか、の検討をするのが良いでしょう。

人事担当者が退職するなど


人事を担当している人が退職したり、産休・育休に入る、異動で人事担当から離れたりするような場合には、社会保険労務士への委託を検討するタイミングとして適しています。
人事を担当している人が退職したり、産休・育休に入ったりする場合や異動で人事担当から離れる場合は、新たに人事の担当者を採用するのか、産休・育休期間中の代替人員を見つけるのか、社会保険労務士に委託をするのか、を検討するのが良いでしょう。

労務関連システムを一新する場合


労務関連のシステムを一新する場合も、社労士への委託を検討しましょう。
従来システムを利用していなかったが、システムを入れるような場合や、別のシステムに移行するような場合、新たに導入するシステムの利用で社会保険労務士への業務委託が効率化できる場合があるからです。

e-Gov電子申請アプリケーションをインストールする

e-Gov電子申請アプリケーションをインストールします。
e-Gov電子申請アプリケーションのインストールの方法の詳細は、「アプリのインストール|e-Gov電子申請(URL:https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/preparation/beginner/install.html#windows)」にありますので参考にしてください。
なお、セキュリティの観点からGビズIDやMicrosoftアカウントを利用しない場合、2段階認証または追加認証が必要となり、別途スマートフォンに二段階認証用のアプリをダウンロードするなどが必要となります。

電子申請を行う

電子申請を行います。
e-Gov電子申請アプリケーションを起動し、マイページを表示します。
マイページ内の左上部から手続検索をすることができるので、36協定届(時間外労働・休日労働に関する協定届)を選択し、必要な事項を入力して送信します。
直接持参する場合や、郵送する場合のように2部作成する必要はありません。

まとめ

本記事では、社会保険・労働保険を社会保険労務士に委託することについて中心にお伝えしました。
社会保険・労働保険は、従業員の数が増えれば増えるだけ手続きに負担が伴います。
お伝えしたタイミングで社会保険労務士への委託を検討してみましょう。

電子申請を行うメリット

労働保険の年度更新について、インターネットで申請を行う電子申請には、次のようなメリットがあります。


各種機関に直接出向く必要がない
自宅やオフィスからいつでも手続きが可能


まず、上述したように、申告書を紙で提出する場合、直接労働基準監督署などの機関に出向いて手続きをする必要があります。
電子申請の場合、直接出向く必要はありません。
また、申告書を紙で提出する場合、各種機関の窓口が稼働している時間に出向く必要があります。
しかし、電子申請であれば、自宅やオフィスから24時間いつでも行なえます。
移動時間や費用を節約することが可能といえます。

電子申請に必要なもの

労働保険の年度更新の電子申請に必要なものには次の3つがあります。


パソコン
電子証明書
e-Gov(電子政府の総合窓口)のアカウントとアプリケーションのインストール


まず、電子申請はパソコンで使用するアプリが必要となるので、パソコンが必要です。
インターネットが利用できてもスマートフォン・タブレットでは電子申請はできませんので注意が必要です。
次に、労働保険の年度更新には電子証明書が必要です。
電子証明書とは、電子申請をする際に送信する電子データが原本であること・改ざんされていないことを証明するためにつけられるものです。
電子証明書は認証局で作成しますが、e-Govを利用するにあたって動作確認がとれている電子証明書の認証局は、次のe-Govのホームページに公開されています。

参考:
認証局のご案内|e-Gov(URL:https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/preparation/certificate/certification-authority.html

さらに、e-Govのアカウントを取得した上で、パソコンにアプリケーションをインストールする必要があります。
アプリケーションはWindows・Macどちらにも対応しています。

電子申請の手続

労働保険の年度更新を電子申請で行う場合の手続きは次の通りです。

賃金集計表を作成する


紙で行う場合と同様に賃金集計表を作成します。

e-Gov電子申請手続検索を利用して「労働保険年度更新申告」を検索する


e-Govの電子申請はとてもたくさんの種類があります。
労働保険の年度更新の手続きのページには、手続検索から「労働保険年度更新申告」と検索すると遷移することができます。

申請書入力画面に必要事項を入力


労働保険年度更新申告の申請書入力画面に必要事項を入力します。
入力したデータと電子証明書を保管します。

保管したデータを送信


保管したデータと電子証明書の送信を行います。

保険料を納付する


送信が終わると保険料の納付に必要な情報が表示されるので、保険料の納付を行います。

市販の電子申請ソフトや労務管理システムで電子申請を行うことも可能

e-Govは外部連携APIを公開しているので、これを使って申請ができる電子申請ソフトや労務管理システムが市販されています。
これらを用いて労働保険の年度更新をすることも可能です。

まとめ

このページでは労働保険の年度更新についてお伝えしました。
労働者を雇用していると手続きが必要となる労働保険は年度更新が必要で、適切に行わなければペナルティを課せられることもあります。
適切に行えるよう不明点がある場合には専門家に相談するようにしましょう。
助成金に関するお問い合わせ・無料相談 03-6831-3778

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